(んー、今日は誰にしようかなぁ……)
ぽちぽち。
俺は、また風ゾクのページを見ていた。
日記に乗っけてある写メを遡り、かわいい子をさがす。
(……よし!この子しよう。かわいいし!)
プルルル
「あ、もしもし?御堂筋です。ギャルちゃんで予約したんですけど、いけますか?……はい。大丈夫です。いつものとこです。待ってます~~」
お金をテーブルの上に置き、お風呂に入り、歯をみがき、掃除機をかける。乾かしてあった食器も片付ける。
このいつくるか?どんな子がくるか?の瞬間はいつもドキドキだ。
ぴんぽーん
がちゃ
御堂筋「いらっしゃいーーー(うわ、めっちゃかわええやん!!!!)」
ギャル子「初めまして。ギャル子です~」
御堂筋「さ、入って入ってー。なんか飲みます??」
ギャル子「え?いんですか??じゃあ、お茶で!」
そんなこんなで、プレイの時間に。
過去に一回大当たりした天使ちゃんは、もう御用達のサイトにはいなかった。
天使ちゃんはかわいくて、身体も綺麗過ぎて、触るのがもったいないくらいの、宝石みたいな女の子だった。
ただ、どんな宝石にも傷はついているのか……
【天使ちゃんには、リスカの後があった。】
風ゾクだし、あまり気にしていなかったが、やはり目にはついた。
もちろん、デリなので本番も出来なかった。
どうか、ギャルちゃんは完璧な宝石でありますように……
…………
ギャルちゃんという名の宝石には、刺青と、手首から腕までびっしりのリスカという名の傷があった。
顔はかわいいのだ。
俺は、手でも昇天出来なかった。
風ゾクを呼ぶくらいだから、本番が出来るならしたい。キスだって思う存分したい。時間も気にしないでしたい。
自由がいいのだ。その場だけでもいいから、お金の関係じゃない、愛あるエッチがしたいのだ。。。
風ゾクでは無理だ。わかってる。あくまで俺は、"お客様"
色々な女の子だっている。事情だってあるはずさ。
リスカだって、刺青だって、かわいくなくたっていいじゃないか。お店だもの。
でも、俺の求めるものとは、違った。
昔から、少しナンパはしてた。
しかし、勇気を出して声をかけてみるものの、てんでだめ。素人も素人。声かけ数も少ない。
声かけが増えてきても、友達と適当に声をかけるだけ。
その日に会って、その日にするなんて、夢のまた夢だと思ってた。
そりゃあ、俺だって合コン後に何回か即ったことはあるけど、それはお酒も入ってるし、友達の友達というフィールドの上だ。
全くの他人同士が、ストリートで声かけて、エッチできるのか?
「ナンパ え○ち その日」
とか調べても、掲示板のものが、でてくるだけで、参考にはならない。嘘くさいし。
m_i_x_iのコミュニティで「ナンパ」と調べても、いまいち。
ふと、友人が、大学のレポートを書くときに、よく
「調べてるもの ブログ」
と検索かけるのを思い出した。俺はそこで、
「ナんパ ブログ」
と調べた。
当時は、Yさんやのりたまさん、ロンブーさんのブログが出て来たと思う。
書いてある内容が、やけに生々しい。
妙に信憑性が高い。本当っぽい。
俺が欲しかった情報が、そこにはあった。
人は知らないものに対して、人がつけた評価や体験が気になるのだ。情報が欲しくなるのだ。
アマゾンのレビューや、食べログのレビューを見たことない人は少ないと思う。
俺は、ブログを夢中で読んだ。
派生していき、どうやらTwitterでも情報収集できるらしいと掴んだ。
俺はすぐにもう1つ、ナンパ用のツイッター
アカウントをつくった。
実は、とあるナんパ師に、
「クラスタに入れて下さい!!これって誰でも入れるんですか!?!?」
と、わけのわからないことを送っていた。クラスタがなにかのコミュニティだと思っていたのだ。
そう、俺はナんパに対して、本気で取り組んでなかったのだ。
掲示板を見て、「いいなぁ」と感じるだけの、行動力ない人間。
自分を変えてみようと思った。
俺は電車に乗り、Uへと向かった。
当時はクラブもいっていた。ナんパ=クラブのイメージがあった。結果は全く出ていなかったが。
電車を降り、Uという名の街、人がくそほどいるこの街の景色が違ってみえた。
とりあえず、ここで何人かに話しかけて、クラブにいけばいいや。そう思っていた。
8時くらいに街についただろうか、さっそく声をかけた。
ーーここから、俺はナんパ道という名の、終わらない螺旋階段の一歩を踏み出したのだ。
歩道橋にて。2声かけ目だろうか。
御堂筋「あの、コーヒー飲みにいきませんか?」
とオープン。飲みにいきませんか?では、なんだかチャラくて拒否られるような気がしたからだ。
女の子「ごめんなさい、これから予定あって、そのあとクラブにいくの!」
(お、ラッキー、バンゲしてクラブで会おうとと!)
このマインドは、今から考えるとダメです。絶対にゲットできません。どうせならクラブ出て来てからのブーメランに期待しましょう。
御堂筋「じゃ、俺も後でクラブいくし、連絡先交換しよ!」
でバンゲ。粘った。
なんか調子いいやんけ!
3声かけ目
御堂筋「あの、すみません……」
ガンシカ。
4声かけ目
御堂筋「あの……すみません!!」
ガンシカ。
ま、当然だろう。とにかく声かけなきゃいけないなとは思ってた。
5声かけ目
きれいなお姉さんだった。
御「あの、すみません。よかったら、コーヒー飲みにいきませんか??」
ね「えーー、ナんパですかぁーー??(甘い声)」
御「えと、、、ナンパです!!お姉さんがキレイだなって思って!コーヒーでもどうかなと思って声かけました!!」
ね「えーーー」
御「いやほら!居酒屋とかじゃなく、コーヒーやん!チャラくないやつ!一杯だけ一緒に飲んでよ、奢るしさ」
そんなこんなで、コーヒー屋in。
お姉さんは、とてもキレイな年上だった。
おそらく、ナんパされたことが嬉しかったのだろうか。オープンはした。
えー、ナンパですか?
なんてのは、今まで結構声かけきたが、この一回しかない。
しかも5声かけしかしてない。ぶっちゃけラッキーだった。
御「……ってのが俺の自己紹介。てか何歳??」
ね「えー、何歳に見えるー??」
御「(ぶっちゃけ31~32くらいだが)んー、26とか?」
ね「それはちゃっと言い過ぎかな。で、ほんとは何歳に見えるー??」
御「えと。。。30。。。?」
ね「(ちょっと間が空いて)そーー!30ーー!」
こいつ、30じゃねーな。まいいか
ね「てか、こんな私と一緒にいても面白くないでしょ?他の子探しなよーー」
御「そんなことないよ!めっちゃ顔タイプだし、キレイだから声かけたんだよ!お姉さんがいい。」
やばい。興味あるアピールせな。
御「お姉さんは、仕事何してんの??」
ね「私は事務だよー。さっきも会社の飲み会だったんだ。ミド君は?」
御「俺は営業だよ!」
ね 「え?まさか、ヤミ金の営業じゃないよね??」
御「まさか。てかヤミ金てなんやねんwww」
ね「ならいいけど……」
御「?」
そんなこんなで、恋愛トークへ
御「てか彼氏いないの?」
ね「今はいないけど」
御「けど?w」
ね「……」
御「どしたん?」
ね「今、元カレに付きまとわれてるんだ」
御「え?ストーカーってこと?」
ね「そこまでじゃないけど……その元カレが、ヤ3金で働いてたんだよね」
あ、だから過敏に反応してたのか
ね「で、アプリに、今どこにいるかわかるアプリ入れられてるの」
御「……それやばいやつやん」
ね「そーなの。だからここにいることもばれてるの。」
マジか。元カレはマジでやばいらしい。
ね「な、なーんて、うそうそ♪」
御「と、とにかく出よっか」
っていうことでコーヒー屋out。
流れで電車に乗り、何駅か先の10の街へ
Uに長くいると、普段の行動範囲じゃないからやばいらしいとのこと。こわっ。
途中、「帰るなら今だよ」と何回も言われた。
ぶっちゃけびびってたが、ここまで来たからには、引きさがるわけにはいかなかった。
10の街に着き、居酒屋へ
ディープな彼氏を聞くことに。
・ヤ3金の人
・元カレ
・半ストーカー
・普段の行動把握してる
・毎朝4-5時に家にくる
・ドラゴンレーダーみたいなアプリをインストールされてて、どこにいるかすぐばれるそう
・少し怖がってる
聞けば聞くほどやべーーじゃねーーか。
御「……じゃ、カラオケにいくのも微妙なんだね」
ね「そうだね。。。」
御「お姉さんの家なら、大丈夫だよね?」
ね「そりゃそうだけど……」
御「すみませーーん!お会計お願いします!」
…そう。ヨネスケすることにした。
俺は4時に元カレがくるのをびびりながら、家にinした。
手は繋いで、家まで歩いた。
in
家は広かった。一人暮らしのそれとは思えないくらい。
めっちゃ居心地がよかった。
色んな感情が、俺の中に流れてきた。
元カレの恐怖、家についたという安堵、お姉さんと家から香り駆り立てられる欲望、好奇心。初めてストで即れるという歓喜、実はお姉さんもヤ3なんじゃねーかっつー警戒心、etc
その感情を、ソファーの上でぶつけた。
まだはやい、シャワー入ってからねって言われた。
お姉さんに、先にシャワー浴びてもらった。
その間、暇なので本棚チェックすることに。色んな本がおいてある。。。でもヤ3関係のその感じはしなかった。
お姉さんがでてきて、続いて俺がシャワーに。
前にツイッターに、財布から金パクられたっていうのが流れてみてたのもあって、俺は不自然にカバンをシャワールームに持っていった。
「何にもとらないよー」と言われた。俺が警戒心MAXでびびったのがばれてるのだ。
この、カバンをシャワールームに近づけるのは正解だと思っている。慣れるまでは、女の子は完全に信用してはならない。即なんて特にそうだ。
俺が足りなかったのは、スマートさ。ポケットに財布だけ入れて、シャワー室にいけばよかったのだ。
そこからは、もちろんノーグタ。
「私、Sだよ?」とかソファーで言ってたくせに、いざベッドだと反対になるお姉さん。
ベッドもなんだが居心地がよかった。
最中に、顔をべたべた触られたのだが、それもなんだが居心地がよかった。
コーヒー屋で聞いたとき、せい欲強いって言ってたっけ。
俺は一カイで満足してしまった。
しかも、4時にくるかもしれない彼氏にびびって、俺は午前2時に家を出た。
どうやって帰っていいかもわからず、俺はGooglemap片手にUまで一時間近く歩いた。
途中で会ったホストが、人生で一番歩くスピード早かったかもしれない。
おかわりしたかったが、その日はこなかった。当然だ。
結局、元カレはこなかったらしい。
こうして俺はナんパ師としての道を歩み始めた。
御堂筋くぅんの【勝利】ブログ
全てに勝利し、僕は翔ぶんやよ
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